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感染症や花粉症が流行する時期になると、毎日のように耳にする「免疫」。みなさんのなかには、「なんとなくわかっているけど…」「うまく説明できない」という人も少なくないのではないでしょうか。いますぐ接客で使えるように、改めて「免疫」について確認しておきましょう。
免疫とはウイルスや細菌などの異物から体を守る防御システムのこと。免疫力はその守る力、抵抗力で、免疫力が下がれば細菌やウイルスなどに感染しやすくなったり、悪化するリスクが高まります。
では、免疫力が下がりやすいのはどんなときなのでしょうか?
免疫力は、生活習慣の乱れや環境などが原因で低下することがあります。たとえば、以下の項目などです。
また、高齢者や妊婦、ハードなトレーニングをしているアスリートなども、免疫力が低下しやすいとされています。
免疫にはウイルスや細菌などの異物の侵入を防ぐ働きと体内に侵入した異物と戦い攻撃する働きの2段階の仕組みがあり、以下の図のように「粘膜免疫」と「全身免疫」によって守られています。
ウイルスや細菌などの異物は、体内に侵入しようとします。その異物を侵入させないように体を守っているのが「粘膜免疫」です。「粘膜免疫」は目や鼻、口、腸管などの粘膜で働きます。このとき異物にくっついて体内(粘膜下)へ侵入するのを防ぐのがIgAという免疫物質=抗体で、粘膜免疫の中心的な役割を担っています。
万が一、異物が粘膜免疫を突破して体内に侵入してしまった状態が「感染」です。体に侵入した異物に対しては第二段階の「全身免疫」が働き、異物を攻撃します。免疫が働くことで起こる体のさまざまな反応を「免疫反応」といい、熱に弱いウイルスをやっつけるために体温が上がったり(発熱)します。
ウイルスなどはまず鼻や口などの粘膜から侵入してきますが、その前に粘膜上で防いでくれるのが「粘膜免疫」、カラダに侵入してしまったウイルスなどを攻撃してくれるのが「全身免疫」です。
最近耳にするようになった「抗体」。「抗体」とは一体、どのような働きをするのでしょうか?
「抗体」とは、侵入してきたウイルスなどの病原体にくっついて、無力化するように働く免疫物質のこと。免疫グロブリン(Immunoglobulin:Ig)とも呼ばれるタンパク質のことであり、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があります。
免疫グロブリンのなかでも、外敵の侵入を防ぐため粘膜で主体的に働くのが「IgA(免疫グロブリンA)」。特定のウイルスや細菌などに反応するのではなく、さまざまな種類の異物に反応する(くっつく)という、守備範囲の広さを特徴とする抗体です。
IgAは、異物が体内に侵入するのを防ぐ働きがあるため、IgAが少なくなると、病気にかかりやすくなります。
ある研究では、一定期間唾液中のIgA抗体濃度を毎週はかり、その期間内にカゼを発症した人たちのIgA抗体濃度の変化を調べたら、カゼ発症から遡って3週間前ぐらいから徐々に減少していたことがわかりました(グラフ1)。
また、同じ試験では疲労感も調べており、唾液のIgA抗体濃度が低下しているときほど疲労感を強く感じる人たちが多かったこともわかっています(グラフ2)。
アメリカズカップのヨットレース選手の男性38人を対象に、トレーニング期間の50週間にわたって毎週、唾液サンプルを採取。その結果、上気道感染症を発症する3週間前から唾液IgAレベルが低下し始め、発症時は有意に低下(グラフ1)。また唾液中のIgAレベルが低下しているときは、疲労感が強かった(グラフ2)。
(出典:Med Sci Sports Exerc.;40,1228-36,2008)
抗体は、ウイルスなどの異物がカラダに入らないよう防いだり、入ってしまった異物をカラダから排除したりする物質です。IgA抗体は、異物がカラダの中に入ってこないように、鼻や口などの粘膜で中心となって働く抗体なんですよ。
Lactiplantibacillus pentosus ONRICb0240(乳酸菌ONRICb0240)
最近注目を集めているLactiplantibacillus pentosus ONRICb0240(以下、乳酸菌ONRICb0240※)は、大製薬の研究によって、次のような生体防御機能が確認された、植物由来の乳酸菌です。
※「乳酸菌ONRICb0240」は東京農業大学が単離した乳酸菌です。
健康な女性30名に、乳酸菌ONRICb0240(20億個)含有または乳酸菌を含まない(プラセボ)水を21日間摂取させ、唾液中のIgA分泌量を比較。乳酸菌ONRICb0240の摂取でプラセボに比べ唾液中のIgA分泌量が有意に増加。
(出典:Jpn J Lactic Acid Bact.2006;17:132-36より改編)
65歳以上の高齢者300名に、乳酸菌ONRICb0240(20億個)または乳酸菌を含まない(プラセボ)タブレットを20週間継続摂取させ、摂取期間中のカゼの罹患状況を比較。
乳酸菌ONRICb0240の摂取でカゼと判定された人の割合が低下。
(出典: Br J Nutr.2013;109:1856-65より改編)
スギ花粉によると思われるアレルギー反応を経験したことのある健常成人34名に、乳酸菌ONRICb0240(20億個)含有または乳酸菌を含まない(プラセボ)タブレットを8週間継続摂取させ、摂取期間中にスギ花粉を3時間曝露し、アレルギー全般の評価指標である顔スケール(症状とQOLを含めたアレルギー反応を総括的に評価する指標)を比較。乳酸菌ONRICb0240の摂取で花粉のアレルギー反応が総括的に軽減。
(出典:Jpn Pharmacol Ther 2019;47:1901-12)
*:0週値を共変量とした混合モデルによる共分散分析, GrouP x Week:P=0.0138,Week8:P=0.0452
**:顔スケールAUC;各週の花粉曝露後3時間の変化量の合計値
Arithmetic mean ± SEM (0w), Lsmean ± SEM (4w,8w)、プラセボ (n=15,14(4wのみ))、乳酸菌ONRICb0240 (n=15).
乳酸菌ONRICb0240は、継続摂取することでIgA抗体を増やす働きがあるんです。鼻や口といった粘膜の免疫力を上げて、カゼ予防や花粉症予防に有用だという結果が報告されているんですよ。
体を冷やさない工夫を!
体温が低いと免疫細胞の活性が低下してしまいます。体を温め、免疫力を上げましょう。
運動後はしっかり休養をとることも忘れずに!
激しすぎる運動は免疫力を落としますが、「汗を軽くかく程度」の運動は免疫力アップにおすすめです。
ストレスをためず笑顔で楽しく過ごそう!
ユーモラスな映像を見たあと、IgA濃度が上昇したというデータもあります。日々の笑いは免疫力を高めてくれそうです!
免疫力を高める食品は毎日の継続がポイント
栄養バランスよく食べることが大事。腸内環境を整える食物繊維や乳酸菌を含む食品などを積極的に取るのも良いでしょう。
店頭で、お客様から免疫について質問された場合、どのように答えますか? 以下のQ&Aを参考に、しっかりと答えられるようにしておきましょう!
免疫力って何のこと?
ウイルスや花粉などの異物から体を守る「抵抗力」のことです。異物を入れないように働く粘膜免疫と、侵入した異物と戦う全身免疫の2つの仕組みで体を守っています。
日々の体調管理には粘膜免疫で侵入させないことが大切ですよ。
免疫力が下がるのはどんなとき?
食生活の乱れやストレス、睡眠不足などのほか、寒さや乾燥などが原因となって下がることがあります。また、高齢者や妊婦、受験生、ハードな運動をしている人なども免疫力が下がるリスクがあります。
免疫力をアップさせるにはどんなことをしたらいいの?
適度な運動や睡眠、バランスの取れた食生活が基本になります。体を温める食事や腸内環境を整えるために乳酸菌を含む食品などを積極的に摂るのもいいでしょう。免疫機能にかかわるビタミンA・C・D・Eやタンパク質などもオススメです。
乳酸菌ONRICb0240ってどんな乳酸菌なの?
全身の粘膜でIgA抗体を増やし、免疫力を上げる効果が期待できる乳酸菌です。継続摂取により、カゼの感染リスクを減らすことが確認されています。
乳酸菌ONRICb0240はほかの乳酸菌とどう違うの?
乳酸菌ONRICb0240は粘膜免疫の主役であるIgA抗体を増やし、体の中に病原体を入れないように働き体を守ります。
一方、多くの乳酸菌は全身の免疫抗体を増やすことで、粘膜免疫を突破して体内に入ってきた病原体をやっつけます。
IgA抗体って何?
「抗体」は、ウイルスなどの異物を無力化するように働く物質で、免疫グロブリンとも呼ばれます。IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類あり、なかでも鼻や口などの粘膜で中心的に働くのが「IgA抗体」です。
免疫力が高ければ病気にならないの?
粘膜免疫の指標であるIgA抗体の量や濃度が高い人は、低い人よりも病気になりにくいという研究結果はいくつもありますが、免疫に関する仕組みは非常に複雑で個人差も大きいことから絶対に病気にならないというわけではありません。
熱が出るのはどうして?
ウイルスや細菌などが体内に侵入してしまった場合、熱に弱いそれらの外敵をやっつけるために、体が体温を上げようと発熱します。熱が出るということは、免疫反応が正常に行われているということでもあるのです。
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