登録販売者の受験資格が大きく変わる!!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今、登録販売者の受験資格が大きく変わろうとしている。不正受験などで問題になった「実務経験」が撤廃され、誰でも受験できるようになるのだ。厚生労働省はパブリックコメントを募集し(6月9日~7月8日)、最終的にそれを参考に法制化するが、大筋は変わらないと思われる。そこで、何がどう変わるのか、どんな流れがあったのかなどについてまとめてみた。

▼▼▼『登録販売者合格応援団 佐藤です!』チャンネル始動!▼▼▼

平成26年度と平成27年度以降の受験資格について(2015/01/09)

平成27年度の受験資格はどう変わるのか?を今までと比較して分かりやすく表にまとみてみた。

受験資格

★新受験資格についての質疑応答をページ下部のコメントで行っています。ご確認ください。↓

平成27年度 受験資格 よくあるQ&A

[質問1]合格後の実務経験は、ドラッグストアや薬局・薬店での実務に限られますか? 薬を取り扱っているコンビニエンスストアでの実務では経験にならないでしょうか?

[回答1]
実務経験は、「店舗販売業もしくは配置販売業において薬剤師または登録販売者の管理および指導の下に実務に従事した者」になります。ですから、コンビニエンスストアであっても、その環境下で実務(一般用医薬品販売等)を行った場合は、実務経験としてカウントされます。


[質問2]10日間しか働いていない月があるのですが、80時間以上であれば1カ月の実務経験としてカウントできますか?

[回答2]
はい、カウントできます。 実務経験期間のカウントは、平成26年度までは「1カ月に80時間以上業務を行っていた連続した期間」でしたが、平成27年度以降は「1ヵ月に80時間以上の条件は変わらないが、連続してなくてもOK」となりました。過去5年間で、「月単位で計算」し、通算でのカウントが可能です。


[質問3]店舗で医薬品が販売できる登録販売者と、そうでない人とではどうやって区別されるのでしょうか? 

[回答3]
名札などで区別することができます。 実務経験2年以上の人の名札には、「登録販売者」だけでなく「医薬品登録販売者」と記載することができます。一方、実務経験2年未満の人は、「登録販売者(研修中)」等の研修中であることがわかるように名札にシールなどで表記しなければなりません。


[質問4]会社から、「次年度(平成27年度)の試験には合格してね」といわれました。どうしてでしょうか。私の実務経験は平成27年7月31日までで1年です。

[回答4]
管理者・管理代行者になるには、過去5年のうち2年の実務経験が必要となりますが、実務経験が平成27年8月1日までに過去5年間で通算1年以上の方が、平成27年度試験に合格すると、経過措置の対象となり、その時点で、研修中ではない登録販売者(管理者・管理代行者になれる)として店舗で働くことができ、管理者・管理代行者(第2類医薬品以下の販売店舗)にもなれます。経過措置期間中(平成28年7月末まで)は、実務経験2年以上の登録販売者と同等ですので、その間に、実務経験を2年以上にすれば、"研修中"の期間がなく、働き続けることが可能です。 ちなみに 平成27年8月1日までに1年以上の実務経験がない方は経過措置が適応されません。平成27年度試験に合格したとしても、過去5年以内に通算2年以上の実務経験となるまでは「登録販売者 研修中」となります。


[質問5]平成26年度(平成27年3月末まで)の登録販売者試験に合格しました。まだ従事登録していません。すぐに登録すべきでしょうか?

[回答5]
従事登録は平成30年3月31日までにすることをおすすめします。平成27年3月末までに試験合格した登録販売者は、平成32年3月末までは、実務経験2年以上の登録販売者と同等とみなされます。つまり、「経過措置期間内に2年以上の実務経験を積む必要がある」ということですので、遅くとも平成30年3月31日までに従事登録し、その後2年の実務経験を積むことをおすすめします。


[質問6]平成27年度試験に合格しても実務経験がないので登録販売者資格はもらえないのでしょうか?

[回答6]
平成27年度(2015年度)試験に実務経験がないまま合格しても、資格はもらえます。 合格後すぐに薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下、登録販売者 研修中として医薬品(2~3類)の販売が可能となります。 ただし、正登録販売者(2~3類店舗管理者)になるためには、合格後、過去5年のうち2年間の実務経験が必要となります。


★新受験資格についての質疑応答をページ下部のコメントで行っています。ご確認ください。↓

ココデル

現在の「受験資格」は?

現在、登録販売者試験を受験するためには、一定の資格が必要だ。 薬事法施行規則(159条の5)で6種類あげられているが、一般的にはそのうちの「旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校を卒業した者であって、1年以上薬局又は店舗販売業若しくは配置販売業において薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した者」という条件によって受験する人がほとんどを占める。

この「1年以上の実務経験」の具体的内容として、「一般用医薬品の販売等」のほか、「情報提供を補助する業務又はその内容を知ることができる業務」「一般用医薬品の管理、貯蔵、陳列、広告」など8項目の業務すべてについて、「1カ月の勤務時間が80時間以上」必要とされ、その「実務経験証明書」を薬局や店舗販売業者に作成してもらう必要がある。

こうした「受験資格」が、大きく変わろうとしている。ひとことで言えば、「受験資格の撤廃」で、誰でも受験できるようにしようという方向だ。その内容をお伝えする前に、なぜ「受験資格」として「実務経験」が盛り込まれたかという背景についてみておこう。

そもそもなぜ「受験資格」に「実務経験」が盛り込まれたのか?

「実務経験」については、登録販売者制度をつくる際にも議論になっていた。「医薬品を扱う者には、それなりの実務の経験が必要ではないか」という意見が大勢だったが、そもそも、これまでは薬剤師しか医薬品の販売はできないはずだった。法規上、薬剤師以外の者が医薬品販売の実務経験をもっていてはならないわけで、「実務経験」の意味するところが曖昧だった。

結局、「登録販売者は、試験に合格し都道府県に登録後、すぐに一人でも、店舗販売業又は配置販売業の許可を受けた店舗等で医薬品を販売等することができる。そのような場合にも、その役割をしっかりと果たすことができるようにするためには、あらかじめ、専門家である薬剤師又は登録販売者の管理・指導の下、受験資格として実務経験を積むことを通じて実践的な資質を身につけている必要がある」「受験資格には、新たに医薬品の販売等に携わろうとする者の参入を制約する効果もあり、実務経験要件を課す場合には、その期間は必要最低限のものとすることが必要である。このため、受験資格として、1年間の実務経験を求めることが適当」(登録販売者試験実施ガイドライン 作成検討会報告書 2007年6月)という報告書に示されたように、実務経験が薬事法施行規則に盛り込まれたのだ。

uakru.png

不正受験が相次ぎ社会問題に

しかし、登録販売者制度が始まると、懸念されていた事態が起こる。虚偽の「実務経験」の証明による不正受験の発覚だ。登録販売者を確保しないと、店舗運営そのものが危うくなるリスクがあるため、とにかく資格を取得させようと、規定の実務経験を満たさない従事者に、虚偽の実務経験の証明を発行して受験させる一部の企業が現れ、それが発覚して社会問題になったのだ。

 

規制改革の流れが押し寄せる

また、安倍内閣の誕生とともに、各種の規制改革がこれまで以上に進められることになった。そのひとつが、規制改革会議による「登録販売者試験の受験資格における『実務経験』要件の撤廃」要請だった(2013年)。

「登録販売者試験の受験資格における『実務経験』要件を撤廃する(もしくは、『実務経験』に代えて、研修制度による研修修了者にも受験資格を付与する)」というもので、その理由として、「現在の登録販売者制度では、満1年以上の実務経験が受験資格にあることから、実質的に既存の医薬品販売業に従事する者しか受験できず、異業種からの参入が非常に困難な状況にある」としている。

これに対し、厚生労働省は「対応不可」として、 「登録販売者試験の受験資格として求めている実務経験については、平成19年に開催された『登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会』において、『購入者等の適切な医薬品の選択を支援する役割をしっかりと果たすため、あらかじめ、専門家である薬剤師又は登録販売者の管理・指導の下、実務経験を積むことを通じて実践的な資質を身につけている必要があり、具体的には、医薬品の販売等の現場において、医薬品の取扱いを知ることや、購入者等からの要望を聞きそれを専門家に伝えて応答の仕方を知ることなどを通じて座学では習得しにくい知識を身につけ、かつ、習得した知識の実践への生かし方を学ぶ必要がある』と取りまとめられており、受験資格から実務経験を撤廃することは困難と考えております」と回答していた。

ukaru.png

 

受験資格の「実務経験」撤廃へ

登録販売者試験の不正受験が相次いだことを背景に、異業種からの参入を容易にするためという強い要請に、厚生労働省もついに方針転換を迫られ、「薬事法施行規則等の一部を改正する省令(案)」をまとめ、2014年6月9日、「薬事法施行規則等の一部を改正する省令(案)等に関する意見の募集について」とするパブリックコメントを広く国民に求めた。 主な改正のポイントは、次のようになる。

1.登録販売者試験の受験資格としての実務経験要件等の廃止
これまであった受験のために必要な資格をすべて撤廃する。学歴や実務経験は一切問わないことになる。つまり、誰でも受験が可能になる。

2.店舗管理者等の要件としての実務経験要件の設定
登録販売者が店舗管理者になれる場合の要件。
◆第2類医薬品又は第3類医薬品を販売等する店舗等の店舗管理者 過去5年間のうち薬局等において
(ⅰ)一般従事者として薬剤師又は登録販売者の管理及び指導の下に実務に従事した期間及び
(ⅱ)登録販売者として業務(店舗管理者又は区域管理者としての業務を含む。)に従事した期間の合計が通算して2年以上である者に限ることとする。

◆第1類医薬品を販売等する店舗等の店舗管理者
薬剤師を管理者とすることができない場合、過去5年間のうち当該期間及び第1類医薬品を販売する店舗の店舗管理者又は配置販売する区域の区域管理者であった期間が通算して3年以上である者とする。 *要指導医薬品を販売等する店舗等については、同様の見直しを行う。

3.従事者の区別等
(1)店舗管理者等になることができる登録販売者以外の登録販売者については、名札にその旨が容易に判別できるよう必要な標記をしなければならないこととする。
(2)この登録販売者については、薬局等において、薬剤師又は登録販売者(店舗管理者等になることができる登録販売者に限る)の管理及び指導の下に実務に従事させなければならないこととする。

これはどういうことかというと、登録販売者を2種に分けることを意味している。なりたて「新米の登録販売者」は、それ以外の「ベテラン登録販売者」と区別できるように、名札などで示しなさいということだ。また、登録販売者として2年以上従事した人や薬剤師の下で、実務経験を積ませることで、受験資格としての実務経験撤廃を補うかたちになっている。

このほか、「4.実務・業務経験の証明及び記録」「5.薬局等の掲示・表示事項等」「6.経過措置」「7.その他」があるが、これらについては省略させていただく。 なお、施行予定日としては、来年、2015年4月1日となっている。また、今年度の登録販売者試験については、これまで通りで、受験資格も実務経験も従来同様に求められる。

パブリックコメントの募集はすでに締め切られ、これを参考に法制化が行われるが、大筋は変わらないと思われる。受験資格の大きな柱だった「実務経験」の撤廃により、今後は受験者数も大幅に増加しそうだ。

[試験対策講座]

[過去問]

[関連記事]

  • このエントリーをはてなブックマークに追加